夏休み!ハンセン病問題を知る企画ーFさんの人生を通してー


会期:2021年8月3日(火)~15日(日) ※9日は休館日

時間:9:30~18:00 ※最終日15日は15:00まで

会場:東村山市立中央公民館1階展示室

企画趣旨


 東村山市が掲げている、国立ハンセン病療療養所多磨全生園「人権の森構想」の推進に、私たち市民への関心と理解を広めることが必要であると考え、中央公民館でハンセン病問題を知る企画を開催することとしました。

 

 今回は2020年12月に裁判のあり方について違憲と認定された、菊池事件の当事者であるFさんの生涯を通じて、なぜそのようなことが起こったのか、市民を含む社会が抱えてきた差別・人権問題を知り、子どもから大人まで多くの市民が学ぶ機会とします。

 

 また、国立ハンセン病療療養所多磨全生園の「人権の森」が、ハンセン病問題を後世に伝え、「人権学習の場」として多くの人が訪れる場所として残したいと考えています。

 

 昨今コロナ禍において感染者などに対する差別・偏見の話が後を絶ちません。病気に対する差別・偏見が繰り返されていることも踏まえ、今回の企画を通じ、東村山市のみならず近隣市も含めた広く一般市民とともに、改めてハンセン病問題から学び多摩全生園の歴史を次の世代に継いでいきたいと思っています。

 

※菊池事件とは


 ハンセン病患者とされたF氏が、1951年に熊本県菊池市で起こった殺人事件の罪を問われ、死刑になった事件です。無らい県運動により、全国でハンセン病患者のあぶり出し・強制収容が行われていた中で起きました。

 熊本地方裁判所の審理は、裁判所ではなく、菊池恵楓園内に設けられた非公開・密室の「特別法廷」で行われました。法廷で裁判官・検察官・弁護人らは、予防着を着用し、証拠品は1mもある箸で扱うなど差別と偏見に満ちたものであったのです。F氏は一貫して無罪を主張し、死刑判決の確定後も再審(裁判のやり直し)を求めていましたが、認められず、1962年に死刑が執行されました。菊池事件国賠訴訟では、F氏の事件の審理は憲法違反であるという判決が確定しています(2020年、熊本地裁)。